2、体験入店
介護の仕事は早番だったり遅番だったり、夜勤もあったりとシフト制だったから、仲良い友達とは中々予定が合わなかったりして仕事以外は本当につまらない毎日だった。
ある日、職場の近くで健康診断を受ける予定だったんだけど、あるお年寄りが救急搬送されたりとバタバタしてその日の健康診断は受けれなくなった。
改めて健康診断の予約を取ったら、元々受ける予定だった場所ではもう受けれなくて、新宿のあるビルで受けなくてはならなくなった。
都内に住んでるけど、新宿ってなんだか怖いイメージであまり好きではなかったし、街中も詳しくなかった。
地図を見ながら、歩いていたらある男性に声を掛けられた。
「可愛いね。今何してるの?」
私はすぐキャッチだと思い、無視してそのまま歩いていった。
でも彼はしつこかった。
そこは西口のオフィスビルがたくさんある場所で、お洒落なOLさんやスーツを着た人がたくさんいたし、しつこく話しかけられながら逃げる私の姿はなんだか恥ずかしくないか?と思い、とりあえず足を止めた。
「仕事探してない?」とか色々言われたかな。それ以外で何を話したかは覚えてないけど、キャバクラで働いてみない?って言われた。
私は断り、でも彼は諦めずに名刺を渡してきた。
「もし何かあったら連絡して」
と言って彼は去って行った。
私はとりあえずその名刺を鞄にいれ、健康診断を受けに向かった。
家に着いてから、久しぶりの新宿という大都会に行ったせいか、改めて自分の毎日はつまらないなーって思いながら、友達とメールのやり取りをしていた。
今日キャバクラのスカウトに話し掛けられたって伝えたら、その友達は体験入店で働いたことがあって、その友達もキャバクラを勧めてきた(笑)
「体験入店だけで2万以上稼げたりするし、お小遣い稼ぎには良いよ!」って。
介護士は本当に給料安くて、実家暮らしだったけど、家に入れるお金や奨学金の返済やらで給料日前は毎月金欠だった。
だから私の2万は本当に大金だった。
そしたらなんだか体験入店くらいならやってみても良いかな?1日だけ働いて、すぐ断ればいいやって気持ちで、正直よく分からず気付いたら昼間のスカウトにメールしてた。
そしたら話はトントン拍子で進み、次の私の仕事休みの日に体験入店で働くことになった。
場所は歌舞伎町。
ネットで店名を検索したらすぐヒットして、お店のホームページを見てみた。
本当にきらびやかって言うのかな?私の知らない世界だって思った。
在籍してる女の子も可愛い子ばかりで、正直不安になった。
でも1日だけだ!って自分に言い聞かせ、当日を待った。
そのお店でYちゃんという女の子と出会い、私の生活は一変した。
1、私のこと
私当時23才。
都内の大学出て、老人施設で働いて1年は経っていたかな。
うちは貧乏で大学の学費なんて絶対払えなかったから奨学金で通ってた。
奨学金は月8万振り込まれて、年2回大学の授業料支払いがあって、半月で奨学金が48万円。足りない分はコンビニと野菜詰めなどの日払いのバイトをして補ってた。
それに加えてサークルに入ったりして付き合いやらオシャレもしたい年頃。
お金がいくらあっても足りなくて、バイトしまくってた。大学行って、バイト行って、そのまま友達と遊んで、朝方帰って、少し寝てまた大学って繰り返しな日もあった。
でも大学1年2年である程度の卒業単位は取っていたから、大学4年の頃は週1で学校に行ってたかな。
バイトしまくってた!でも稼いでも稼いでもすぐ無くなる(笑)
そんなに頑張って授業料払って大学卒業したのに就職した先は老人施設。
私の学部は文学部。周りは銀行だったり、OLみたいや職業に就いてたかな。
だから色んな友達に、なんで老人施設にしたの?大変じゃない?私にはその仕事は出来ないなとかって色々言われたな。
私も今思うとなんでその職業を選んだんだろって思うけど、別に後悔してない。
私は小さい頃からおばあちゃんっ子で、お年寄りが好きだった。
テレビでお年寄りが写ったりすると、可愛いって思ってた(笑)赤ちゃんを見てる感じかな?
だから仕事は大変だったけど楽しかった。
ホストと介護士の恋
私、介護士。
ある夜、新宿歌舞伎町のホストKに恋をしました。
すごい幸せだった。
すごい辛かった。
すごい笑った。
すごい泣いた。
すごいムカついた。
すごいキレられた。
彼と出会って色々な意味で刺激的な毎日だった。
色々なことがあって、やっと落ち着いた私。毎日1人になると不安で泣いてた私もやっと泣かない日が出来ました。
そんな日々を私の記録として残していけたらいいな、って思います。
ブログ書くのも初めてだし、誤字脱字や読みにくかったり、私の記憶を頼りに書くので日にちが前後することがあるかもしれないですが、軽い気持ちで読んでもらえたら嬉しいです。
よろしくお願いします。